黒船で開国を迫る欧米列強に対して、圧倒的に力の弱い自分たちが、いかに義を説き、対等につきあうか……。
人類史上、だれも答えを出したことのない難問を、わがこととして考え、語り合い、行動した幕末の人々。
その思考の足跡を、あまたの史料と会話するようにしてたどったのが、野口良平先生の『幕末的思考』(みすず書房)です。
高尚な哲学の言葉で注意深く書かれているのに、めちゃくちゃドキドキする不思議な本。
たくさんの魅力的な人物が登場しては駆け抜けてゆきます。
知らなかった人物も、イメージが静かにひっくり返った人物もたくさんでした。
この一人一人の物語をもっとよく知りたい!
しかも、高校生がよめるようなおもしろい列伝にならないかなあ! と。
それで、大胆不敵にも、野口良平先生に人物列伝の執筆をお頼みしてしまいました!!
◆著者プロフィール
野口良平(のぐち・りょうへい)
1967年生まれ。京都大学文学部卒業。
立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。
京都芸術大学非常勤講師。哲学、精神史、言語表現論。
〔著書〕
『「大菩薩峠」の世界像』平凡社、2009年(第18回橋本峰雄賞)
『幕末的思考』みすず書房、2017年
〔訳書〕
ルイ・メナンド『メタフィジカル・クラブ』共訳、みすず書房、2011年
マイケル・ワート『明治維新の敗者たち 小栗上野介をめぐる記憶と歴史』みすず書房、2019年
〔連載〕
「列島精神史序説」(「月刊みすず」2020年7月号~2022年9月)
「幕末人物伝 攘夷と開国」(けいこう舎マガジン)!!!!!!